高齢者のヘルスケアとは、高齢者の健康を維持・向上させるために必要な医療や介護、予防、リハビリなどの総合的な活動のことです。
高齢者のヘルスケアには、以下のようなポイントが重要となります。
- 健康的な生活習慣:高齢者に適した食事や運動、生活習慣の指導や管理
- 高齢者の身体的健康:高齢になると身体的な変化変調を来します。全身的に観察を続けましょう。
- スキンケア:高齢者の皮膚は乾燥や薄くなりやすいため、バリア機能を保持しながら2次損傷を予防し、皮膚の健康維持および促進するために、適切な洗浄や保湿、保護などを行います。
- 歩行機能:筋肉の衰えや足腰の骨の衰えにより、歩行が困難になり、心肺機能も低下していきます。歩行速度や姿勢に注意し、故障がないかどうか見守りましょう。
- 高齢者に多い病気や障害の早期発見や治療、薬物療法や医療機器の使用。
- 高齢者の口腔ケアや嚥下障害の予防・改善
- メンタルヘルスケア: 高齢者の心の健康を保つために、うつ病や認知症などの精神障害の予防や治療、ストレスや悩みの軽減、社会的な活動やコミュニケーションの促進などを行います。
- 高齢者の社会参加やコミュニケーション、孤立や虐待の防止
- 高齢者の自立支援や介護サービス、介護保険制度の利用。
- 介護:高齢者が自立した生活を送ることが困難になった場合に、身体的・精神的・社会的な面で必要なケアやサービスを提供します。介護は、在宅介護や施設介護など様々な形態があります。公的な介護サービスやケアマネージャー制度を利用できるように、情報収集を怠りなく。
- 高齢者の権利や尊厳を守るための法的・倫理的な対応
- 「高齢者虐待防止法」は、2006年に施行された法律で、高齢者の尊厳を保持するために、虐待の防止や被害の救済、養護者の支援などを定めています。高齢者虐待とは、養護者や介護施設従事者などが高齢者に対して身体的・心理的・経済的な暴力やネグレクトなどを行うことで、身体的・精神的・社会的な面で損害を与えることをいいます。高齢者虐待防止法では、国や地方公共団体に虐待防止等に関する責務を課し、市町村には相談窓口の設置や事実確認・措置・保護などの措置を求め、都道府県には市町村への援助・助言や指導監督などの措置を求めています。また、介護施設等の設置者や従事者にも虐待防止等のための措置を実施することが求められています。
参照 『健康長寿ネット』